昔から自炊が好きです。
家でご飯を食べても、作ったお弁当を外で食べても、
いつも思うのは、自分で作ったものを食べると、食べ終わった後に心が幸福感で満たされるということです。
そして不思議なことに、この何とも言えない満足感、幸福感は外食でも出来合いのお惣菜でも、自分以外の人が作ったものでは一切感じることができないのです。
人気のお店のランチ、おしゃれなカフェ、素材にこだわったちょっと高級な料理も、いくらたくさん食べても、お腹いっぱいでその時は満足した気がしても何か物足りなくて、お腹はもう苦しいぐらいなのに食後に別のお店でコーヒーとデザートを食べたり。
雰囲気のいい農産物直売所で買った「農家のお母さん手作りのおにぎり、お惣菜、おはぎ」を、景色のいい公園で食べて、気持ちのいいランチだった、と満足したはずなのにその2,3時間後には、カフェでパスタを食べたり。
買ってきたお惣菜やお寿司を、今日はちょっと疲れたし夕飯はこれで、とお茶を入れて食べたとしてもお腹はふくれていっぱいなのに、心がきちんと満たされないというか、何か物足りないのです。
そして心の満足感を求めて、いつまでも何かを食べ続けます。
まさに食べても食べても満足できない状態です。
でも自分でつくったご飯なら、外で食べるより明らかに少ない量なのに、食べ終わった後、しみじみ押し寄せてくる幸せな気持ちが心をなみなみと満たしていくのを感じながら、あーおいしかった、ごちそうさまでした、と何とも言えない心地よい満足感に浸ることができるのです。
昔、職場のランチが一年ほど外食つづきだった時に、久しぶりにしばらくお弁当にしようと曲げわっぱのお弁当箱を買いました。
いつも外で食べているランチの量を目安に600mlの大きさの曲げわっぱを買い、これでもちょっと足りないかも、足りなかったら小さいタッパーでも追加して持っていくかと思いましたが、不思議なことに実際お昼に食べてみるとそんなにお腹に入らないんです。
しかたなく500mlの曲げわっぱを買いなおし、え、こんな小さくて大丈夫?と思いながら持っていくと、その量でちょうどお腹が満たされてぴったりなのでした。
外でランチをしていた時は、定食やらパンサラダコーヒーが付いたパスタやらを食べた後、カフェに立ち寄ってコーヒーとおやつをテイクアウトして職場に戻るというのが定番でしたが、
500mlのなんだか小さめの曲げわっぱでお弁当を持っていくようになってからは、心が満たされるからなのか、あーいっぱい食べた、満足満足、と食欲がぴたりと治まり、それ以上は不思議と食後のおやつもコーヒーも欲しいと思いませんでした。
近年また食生活が乱れて
家で朝晩しっかり食べて、さらに日中、
・素敵なカフェで素敵なおいしいものを食べたい、
・こんなお店でこんなもの食べたんだよ、ってちょっと自慢できる何かを食べておきたい、
・せっかくこの場所に来たんだからこのお店は行っておいたほうがいいよね、
・雰囲気のいい場所で読書やスマホをさわってゆっくりしたい、
等々、外での刺激を求めて外食が多くなり、でも外食では心が満たされないので、ランチの後も夕方近くまで散々カフェでコーヒーやおやつを食べ、家に帰ってまたしっかり晩ご飯を食べるという生活でした。
今、一日二食で何も問題なく生活するようになって振り返ると、本当に食べても食べても食べた気にならない、という言葉がぴったりなほどたくさん食べてたなと恥ずかしくなります。
いま菜食になり料理のレパートリーの変更も楽しみながら、自分で作ったご飯だけが自分を一番満たしてくれるんだなあ、とあらためて感じます。
これから外で食事するときは基本的にお弁当なので、また曲げわっぱのお弁当を再開して楽しんでいきたいと思います。
自炊は唯一最高の満足ごはん
